薄れゆく記憶の中で

その時、君は何してた

★サンライズ出雲 乗車・撮影記1(200511)

久しぶりに、寝台列車に乗りたいとずっと思っていたが、毎年のように列車は削減され、現在は定期列車で残るのは、サンライズ出雲・瀬戸のみ。

仕事の都合もあり、乗車できそうな連休が取れるのは、毎年夏休みだけ。しかし、それだと今度は切符が取れない。

 

2020年初頭から、武漢肺炎により、国中が混乱し、自身は3月末から徐々に仕事が減り、4月に入ると1週間で仕事ゼロ。事務処理程度が5月初旬まで残るも、全て片付き現在は全く無し!

この先、収入がどうなるか、不安は尽きないが、日本中がほとんどの活動がストップしてる今、乗るならこの機会しか無いと思い、天気とにらめっこして、この日に決めてみる。第一目標は、サンライズ乗車、第二目標はサンライズ撮影、第三目標は一畑の元京王5000系撮影、やくも・貨物はおまけ、そんなところか。

世の中、活動自粛一辺倒だが、自分は今まで全く気にしていない。

マスクしないし、そもそも無いし・・

手洗いうがいは、日頃よりしているし・・

発病者の多い地域に住んでいると、誰もが感染していて、自分は発病していないだけだ、と思っている人は多く、発病してしまったら仕方ない、と思っている周りの人間は多い。

GWに、新潟の友人のとこへ遊びに行くよと連絡すると、「病原菌持ってくるな~、来ても会わないぞ!」拒否される始末。

発病者の少ない、地方の人とは根本的な考えが違う。

この時期、ちょうど島根は自粛解禁の報も出たので、それも追い風。他県移動は控えよとの話もあったが・・

 

東日本大震災の時も、それなりに活動は止まっていたが、それとは訳が違う。

計画停電で隣の街は、電気が煌々と点き、自分の市は真っ暗、なんて活動の静と動の差が激しすぎた。

いつの時代も、時の政権に振り回されるのは、一般庶民ということだな。

その記憶は、追ってまた掘り返してみたい・・・

 

2020/5/11夕刻、まずは、PCでレール&レンタのレンタカーを手配し、今度は目的の列車の切符を手配しに、みどりの窓口へ行ってみる。

予想通り席はがら空き、行はBソロ、帰りはBシングルで発券して帰宅。

 

 

風呂・メシを済ませて重い機材を担いで、最寄駅へ歩く。

日中は夏日なのもあり、陽が落ちても暑い。

駅へ着いたら、汗だくになってもた。

この時期、体温が高いと変な目で見られるから、必死で冷却。

 

 

武蔵野線京浜東北線で東京駅へ。どちらも車内は座れるくらいの乗客。

205系でスタート

 

東京駅では、車内での飲み物とつまみを買おうにも、空いている店がない!

駅員に聞くと駅弁屋が空いてるとのことだったので行ってみたが、駅弁しかない。

駅内を歩き回って、1件のコンビニにたどり着き、酒と翌朝の食料を買い込み乗車ホームへ。

なんとか入線に間に合って、撮影開始。シャッター切るぞって時に、スマホオヤジがアングル乱入。乗るやつなら仕方ないか、とかわして撮ったら、そいつはただの通勤客で品川行に乗っていった・・もう少し、前後への配慮ってないものかね?

周りを気にしない一般人が、罵声を浴びるのも仕方ないことだな。

常磐線1261M発車と同時に入線、このあと左側に一般人乱入

携帯で撮ってる場合じゃなかった

 

 

車内へ乗り込み、自分の寝台が下段であることにここで気付く。部屋まで指定して取らなかったんだ。車掌に部屋変更してくれと頼んだら、車内での変更は不可と絶対拒否。

時計をちらっと見て、出発まで数分あるから窓口へ行ったら?と宣うので、アタマにくるも、とりあえずダッシュ

階下にすぐ窓口があったので、変更を頼んでみる。

希望の部屋は?と聞かれて、「上段ならどこでも」と回答。すぐに発券してくれて助かる。

東京駅で指定券変更

 

発車2分前に戻り、またも汗だく、慌ただしい出発となった。

Bソロは狭い!荷物置き場確保のために上段へ変更

出発して、検札も終り、車内徘徊。

東京出発時点で、乗客は20名もいないだろう。

まあ、閑散期の平日、武漢肺炎じゃなくても、満員になるほど乗客はいないだろう。

Bソロはモハネ285、モーター車だからモーター音とジョイント音が、乗客のほとんどいない、話し声が無い車内だから良く聞こえる。

モーター音とは言っても、聞きなれた国鉄型のMT54系列の音ではないので、唸ってはいるが物静かに感じる。583の唸りっぱなしのモーター音が懐かしい!今なら115や185に乗れば、まだ楽しめるか!

285は車のエンジンみたいな感覚で、アクセルオンの状態は唸り音が聞こえるけど、オフにするとフッと消えるような、そんな感じ。

ジョイント音も、ロングレール化が多く、リズミカルな「ガタンゴトン」は直線区間ではほとんど無く、ポイント通過時の、不規則ではあるが、「ガタガタン、ガタガタン」的な音が気持ちよく聞こえるのは鉄道マニア故のこと。

品川通過

合造車大好き、でも乗れない

しばらく、ミニロビーで黒ラベルを呑みながら、流れる電飾と、帰宅列車を待つ人を眺めたりしながらの車窓を楽しむ。

明朝の岡山での切り離し作業を見るために、早めに眠りにつこうと寝台に横になる。

天井まで回り込んだ大きな窓から、駅を通過するたびに、蛍光灯の光が流れ差し込んでくる。

小田原か・・この鉄橋は石橋か・・この大カーブは真鶴か湯河原か・・長いトンネルは丹那トンネルか、そろそろ熱海だな・・

車窓を見なくても、通い慣れた地はよくわかるもの・・

お月様と根府川界隈

熱海停車

静岡、浜松停車、運ちゃん交代か?

ダメだ寝れない、目を閉じても列車の位置を頭で追ってしまう。

豊橋も止まるの?運転停車ですか・・

この減速は名古屋も停車だな。

名古屋通過

ってここは通過かよ!

 

ダメだ、はよ、寝よう・・・

米原運転停車、貨物が同時入線してきた・・

貨物も入線

京都通過、117系寝てる

大阪停車の頃には空も明るくなりはじめ・・・

夜明けはすぐそこ

淀川を渡る

一睡もできずに夜が明けてしまった・・

姫路停車

明るくなって、車内徘徊、三石上郡、万富鉄橋、など有名撮影地眺めてると岡山ももうすぐ。

朝日差し込むノビノビ、乗客は3名

食パンキハと四国のキハ

快晴の岡山に停車。切り離し作業を見に行ってみる。

幌をしまい、貫通路を閉じていく。

切り離し後は、瀬戸がすぐに出発。

出雲は、その3分後に出発。そして伯備線に突入。

右下瀬戸。先行発車。

東海道・山陽区間に比べて、ガクッとスピードは落ちる。更に振り子381系と違い、デカイ図体の285系はカーブのたびに、車輪とレールの軋み音も大きい。これがまたいいんだけど。

新見停車。伯備・姫新、芸備と交わる駅なので結構線路配置は賑やか

それにしても、沿線の田んぼは、思っていたほど田植えが始まっていない。

まだ水すら入れていない田んぼの方が圧倒的に多い。

この肺炎騒動のせいで、今年は田植えパスするのか?人がいないのか?

いろいろ不安になり、車内から明日の撮影地をチェックしていく。

とりあえず、第一候補の撮影地は、水は入っていたが、苗がまだだ・・

水鏡は狙えるか、微妙な感じだ。

隣の田んぼは作業し始めているから、今日植え終っていることをねがう。

出雲は、ちょびちょび対向列車交換で減速したり、運転停車したり・・

米子で115系・・電化されているから当たり前だが、山陰はいまだにキハ40・キハ58のイメージ

朝飯のパンに食らいつきながら、車窓を楽しむ。

線路方向に寝台があるから、座敷に足を伸ばして見る感じ。

24系寝台などのように、線路に対して90度の配置なら、日中は座席として利用できるんで、寝たり座ったり出来る方が良かったと思うけど。

車窓のあなみちこ(宍道湖)・予報より雲多く、天気が心配

降車準備をし終えて、そういえば返しの個室はどこだろうと探しに行く。

これってもしかして・・・

また下段かい!

下車したら、すぐに乗車券変更だ。

 

列車は遅れることなく、終点出雲市へ到着。

出雲市で降りた乗客は見えただけでも5人・・

廃止発表前の、さくら・みずほ・つるぎ、その他定期ブルトレ・夜行列車はこんな乗車率だったのかなと、終着まで走る意味、途中停車駅の必要性など、利益を追及する会社なら、当然考えるわな・・

廃止が発表されてから乗っても、遅いんだよね。存続には・・・

乗って残そう、寝台列車

 

 

 

 

 

 

 2020/5/15