久しぶりに、寝台列車に乗りたいとずっと思っていたが、毎年のように列車は削減され、現在は定期列車で残るのは、サンライズ出雲・瀬戸のみ。
仕事の都合もあり、乗車できそうな連休が取れるのは、毎年夏休みだけ。しかし、それだと今度は切符が取れない。
2020年初頭から、武漢肺炎により、国中が混乱し、自身は3月末から徐々に仕事が減り、4月に入ると1週間で仕事ゼロ。事務処理程度が5月初旬まで残るも、全て片付き現在は全く無し!
この先、収入がどうなるか、不安は尽きないが、日本中がほとんどの活動がストップしてる今、乗るならこの機会しか無いと思い、天気とにらめっこして、この日に決めてみる。第一目標は、サンライズ乗車、第二目標はサンライズ撮影、第三目標は一畑の元京王5000系撮影、やくも・貨物はおまけ、そんなところか。
世の中、活動自粛一辺倒だが、自分は今まで全く気にしていない。
マスクしないし、そもそも無いし・・
手洗いうがいは、日頃よりしているし・・
発病者の多い地域に住んでいると、誰もが感染していて、自分は発病していないだけだ、と思っている人は多く、発病してしまったら仕方ない、と思っている周りの人間は多い。
GWに、新潟の友人のとこへ遊びに行くよと連絡すると、「病原菌持ってくるな~、来ても会わないぞ!」拒否される始末。
発病者の少ない、地方の人とは根本的な考えが違う。
この時期、ちょうど島根は自粛解禁の報も出たので、それも追い風。他県移動は控えよとの話もあったが・・
東日本大震災の時も、それなりに活動は止まっていたが、それとは訳が違う。
無計画停電で隣の街は、電気が煌々と点き、自分の市は真っ暗、なんて活動の静と動の差が激しすぎた。
いつの時代も、時の政権に振り回されるのは、一般庶民ということだな。
その記憶は、追ってまた掘り返してみたい・・・
2020/5/11夕刻、まずは、PCでレール&レンタのレンタカーを手配し、今度は目的の列車の切符を手配しに、みどりの窓口へ行ってみる。
予想通り席はがら空き、行はBソロ、帰りはBシングルで発券して帰宅。
風呂・メシを済ませて重い機材を担いで、最寄駅へ歩く。
日中は夏日なのもあり、陽が落ちても暑い。
駅へ着いたら、汗だくになってもた。
この時期、体温が高いと変な目で見られるから、必死で冷却。
武蔵野線→京浜東北線で東京駅へ。どちらも車内は座れるくらいの乗客。
東京駅では、車内での飲み物とつまみを買おうにも、空いている店がない!
駅員に聞くと駅弁屋が空いてるとのことだったので行ってみたが、駅弁しかない。
駅内を歩き回って、1件のコンビニにたどり着き、酒と翌朝の食料を買い込み乗車ホームへ。
なんとか入線に間に合って、撮影開始。シャッター切るぞって時に、スマホオヤジがアングル乱入。乗るやつなら仕方ないか、とかわして撮ったら、そいつはただの通勤客で品川行に乗っていった・・もう少し、前後への配慮ってないものかね?
周りを気にしない一般人が、罵声を浴びるのも仕方ないことだな。
車内へ乗り込み、自分の寝台が下段であることにここで気付く。部屋まで指定して取らなかったんだ。車掌に部屋変更してくれと頼んだら、車内での変更は不可と絶対拒否。
時計をちらっと見て、出発まで数分あるから窓口へ行ったら?と宣うので、アタマにくるも、とりあえずダッシュ。
階下にすぐ窓口があったので、変更を頼んでみる。
希望の部屋は?と聞かれて、「上段ならどこでも」と回答。すぐに発券してくれて助かる。
発車2分前に戻り、またも汗だく、慌ただしい出発となった。
出発して、検札も終り、車内徘徊。
東京出発時点で、乗客は20名もいないだろう。
まあ、閑散期の平日、武漢肺炎じゃなくても、満員になるほど乗客はいないだろう。
Bソロはモハネ285、モーター車だからモーター音とジョイント音が、乗客のほとんどいない、話し声が無い車内だから良く聞こえる。
モーター音とは言っても、聞きなれた国鉄型のMT54系列の音ではないので、唸ってはいるが物静かに感じる。583の唸りっぱなしのモーター音が懐かしい!今なら115や185に乗れば、まだ楽しめるか!
285は車のエンジンみたいな感覚で、アクセルオンの状態は唸り音が聞こえるけど、オフにするとフッと消えるような、そんな感じ。
ジョイント音も、ロングレール化が多く、リズミカルな「ガタンゴトン」は直線区間ではほとんど無く、ポイント通過時の、不規則ではあるが、「ガタガタン、ガタガタン」的な音が気持ちよく聞こえるのは鉄道マニア故のこと。
しばらく、ミニロビーで黒ラベルを呑みながら、流れる電飾と、帰宅列車を待つ人を眺めたりしながらの車窓を楽しむ。
明朝の岡山での切り離し作業を見るために、早めに眠りにつこうと寝台に横になる。
天井まで回り込んだ大きな窓から、駅を通過するたびに、蛍光灯の光が流れ差し込んでくる。
小田原か・・この鉄橋は石橋か・・この大カーブは真鶴か湯河原か・・長いトンネルは丹那トンネルか、そろそろ熱海だな・・
車窓を見なくても、通い慣れた地はよくわかるもの・・
静岡、浜松停車、運ちゃん交代か?
ダメだ寝れない、目を閉じても列車の位置を頭で追ってしまう。
この減速は名古屋も停車だな。
ってここは通過かよ!
ダメだ、はよ、寝よう・・・
大阪停車の頃には空も明るくなりはじめ・・・
一睡もできずに夜が明けてしまった・・
明るくなって、車内徘徊、三石上郡、万富鉄橋、など有名撮影地眺めてると岡山ももうすぐ。
快晴の岡山に停車。切り離し作業を見に行ってみる。
切り離し後は、瀬戸がすぐに出発。
出雲は、その3分後に出発。そして伯備線に突入。
東海道・山陽区間に比べて、ガクッとスピードは落ちる。更に振り子381系と違い、デカイ図体の285系はカーブのたびに、車輪とレールの軋み音も大きい。これがまたいいんだけど。
それにしても、沿線の田んぼは、思っていたほど田植えが始まっていない。
まだ水すら入れていない田んぼの方が圧倒的に多い。
この肺炎騒動のせいで、今年は田植えパスするのか?人がいないのか?
いろいろ不安になり、車内から明日の撮影地をチェックしていく。
とりあえず、第一候補の撮影地は、水は入っていたが、苗がまだだ・・
水鏡は狙えるか、微妙な感じだ。
隣の田んぼは作業し始めているから、今日植え終っていることをねがう。
出雲は、ちょびちょび対向列車交換で減速したり、運転停車したり・・
朝飯のパンに食らいつきながら、車窓を楽しむ。
線路方向に寝台があるから、座敷に足を伸ばして見る感じ。
24系寝台などのように、線路に対して90度の配置なら、日中は座席として利用できるんで、寝たり座ったり出来る方が良かったと思うけど。
降車準備をし終えて、そういえば返しの個室はどこだろうと探しに行く。
また下段かい!
下車したら、すぐに乗車券変更だ。
列車は遅れることなく、終点出雲市へ到着。
出雲市で降りた乗客は見えただけでも5人・・
廃止発表前の、さくら・みずほ・つるぎ、その他定期ブルトレ・夜行列車はこんな乗車率だったのかなと、終着まで走る意味、途中停車駅の必要性など、利益を追及する会社なら、当然考えるわな・・
廃止が発表されてから乗っても、遅いんだよね。存続には・・・
2020/5/15